読書の日記#82「生き心地の良い町」を読み終える

最近は映画を観る気力が沸かなくなってきて少し困っている私です。その代わり読書欲がスゴいので本はもりもり読んでるんですが……一体何でなんでしょうか……

今日はマシュマロでオススメされた「生き心地の良い町」を読み終えました。
学術書なのにとっても読みやすくて面白かったです。
自殺率の低い町を例にあげて、5つの自殺予防因子を特定し、何故その因子が自殺予防に役立っているのか、また何故その町に根付いているのかを読みやすい文体で丁寧に分析していてとても興味深かったです。
突き詰めると柔軟性のある社会は自殺率を低下させるって話だと思うんですが、それを実際に実践させるとなると社会構造上難しいんだなと思いました。ここで書かれていることは難しいことではなく、読んだら「なんだ、そんな簡単なことか!」と思う人が多いと思うんですが(正直私はそう思いました。)、実際に生活に根付くほど実践しようとするとなると今までの色々な慣習と絶妙に食い合わせが悪い部分が出てきて実践出来ないと思います。
本書で一番私が好きなところは、「通説を使う時は気を付けた方がよい」というところで、通説を言うと何もしていなくてもメッセージを伝えた気になってしまい、内実何もしていないという事態になるという注意喚起にハッとさせられました。
この本の耳障りの良いところを読んで知った気になるだけではなく、真の意味で個々人が実践することで自殺率の低い社会が作れるのかなと思います。
是非多くの人に読んでほしい一冊です。