読書の日記#32「ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集」をぱちんと読んだ

仲のいいフォロワーに「ブログのタイトルに読んだ本のタイトルを入れた方が何の話をするのか受け手にわかりやすい」とアドバイスを貰ったので今日からタイトルの方針を変えてみました。
確かに「読書の日記」だけだと、何の本読んでるのかわからないからこっちの方がわかりやすくていいですね……!ていうか普通に「読書の日記」だけじゃ何の話のブログなのかわかりづらいですね!!!1ヶ月やってたのに他の人に言われるまで気づかなかった……他人からのアドバイスはありがたいですね!

今日はタイトルにも書いた通り、斉藤倫著「ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集」を読みました。これがもう最高にいつまでも読んでたくなる名著でした。ラストが気になる本は沢山読んできたんですが、いつまでも読んでたい本はあまり出会わないのでマジで最高の出会い過ぎた。
この本は百書店大賞という企画(http://100shoten.com/)で双子のライオン堂さんという赤坂にある最高にイカした本屋さんがオススメしていたことで買いました。これを双子のライオン堂さんで買えたことも最高の体験だった……!
お話は「ぼく」と「きみ」の詩を通した思索なんですが、おとなになるまえに言葉について考えたいことが一時間で読みきれる中に詰まっていて最高の読書体験。
基本的に平易な言葉で語られていて、小学生が対象なのか漢字があまり使われていない。大人が子どもに送る本として書かれていますが大人が読んでもめちゃめちゃ面白いです。
以下読みながらノートに書いたネタバレ気味の各話感想です。この本が気になる人は買ってから読むのをオススメします。

各話感想!
1、正しい言葉って?
辞書に書いてある内容が全てではなく、行間(作中では「すきま」)や、でたらめな使い方の中に生まれる言葉もある。世界は言葉で満ちている。本を読むことはその一端を味わうことなのかもしれないと思った。
2、言葉の意味
言葉の意味を考えるのは難しい。何故なら、発言者すら正確にわかってないことの方が多いからだ。しかし、言葉の意味を考えるのは楽しい。本を読む楽しさってこの楽しさなのかもしれないと思った。
3、言葉はこころのあと?
何かを思ったり考えたりするときに人は言葉を使うし、言葉があることで生じる気持ちもある。言葉が先か気持ちが先かはよくわからないものなのかもしれない。
4、ことばは音
意味だけで考えるのではなく音だけでも楽しむことができる。言葉のリズムを楽しむ読書はこれを楽しむことなんだろうな、と思った。
5、繰り返し
二回目が来ないとその出来事が一回目だったとわからないっていうのめちゃめちゃ目から鱗だった。ボロン。
6、オノマトペ
ことばは物のことを直接表したものではないから、別な言語だと表すことばが変わる。オノマトペは見たまま感じたままを言葉にするのに、言語が異なるとオノマトペも異なってくるのは面白い。クックドゥードルドゥー。
7、「きみ」と「ぼく」は双方向
この章は「ぼく」が「きみ」に何かを示唆するだけではなく、「ぼく」が「きみ」から示唆を受ける流れになっている。あくまでも「きみ」と「ぼく」は双方向に影響を与えあってるしそれは大人と子どもと普遍的にしても同じことが言えるんだろうなと思った。
8、無理に言葉にしなくえもいいということ
何かを読んで思ったことを言葉に出来ない経験は誰しもあると思う。それで別にいいのだ。言葉にならなくても楽しければ読書はオッケー!という気持ちは忘れないようにしたい。
9,10、本の終わり
二章まとめて本の終わりを感じさせる内容だった。子どもは大人へとなると子ども時代のことを忘れてしまう。自分だってそうだ。でもその子ども時代の一瞬は美しさに満ちており、大切なことだろうなと思わせる文章でした。