読書の日記#100マシュマロリクエスト企画「その島のひとたちは、ひとの話をきかない」を読み終わる

年末年始休暇二日目にして買い物を大体終わらし、あとは年が明けるまでお篭り生活を続けるだけになりました。読書に映画に一日中楽しむぞ…!

そんな感じで今日は半日本を読んでたおかげで森川すいめい「その島のひとたちは、ひとの話をきかない」を読み終わりました!
これは前読んだ岡檀「生き心地の良い町」にインスパイアされて書かれた本なんだけどこの本もとても面白かった。「生き心地の良い町」を読んでから「その島のひとたちは、ひとの話をきかない」を読むと理解がスムーズだと思う。
「生き心地の良い町」に比べると「その島のひとたちは、ひとの話をきかない」の方が自殺希少地域を旅したエッセイ的な側面が強いのでこっちの方が読みやすいけれども、その分専門的な自殺率の低下に繋がる理由の話は少なめなので個人的には「生き心地の良い町」を読んでからその補強に読むのがオススメ。
本書は大体「生き心地の良い町」と主張は似通っているけれども、精神科医の著者が実際に自殺希少地域に行った体験談が書かれていてその肌感覚がしっかりとかかれているから「生き心地の良い町」を読んだだけだと自殺希少地域が楽園かのように勘違いしやすい部分を修正して、あくまでもその土地に必要だったからそういう絆が生まれたんだとわかるし、そこで生きていくことで生まれる新たな負担も感じ取れるのが良かった。
自殺希少地域は多様性を受け入れる土俵があると書かれていて一見するとすごく良いことのようにも思えるけれども、多様性を受け入れるって言うほど簡単ではないしそれに伴う辛さもあるから、簡単ではないんだろうなとは思った。けれども、この本はそれをわかった上で新しい視点を提供することを目的としている。この本を通して新たな視点を手にいれることが出来れば、少しでも生きやすい世界になっていくだろうし、そうなっていけばいいなと思った。