読書の日記#54「トギオ」を読む②(マシュマロリクエスト企画)

寝て読書して映画を観るだけの生活がしたくて仕方がない私です。

今日も太朗想史郞「トギオ」を読んでいきます。今日は丁度第2章港町が読み終わったところです。

ここでは第1章ではまだ子どもであった主人公が殺人の罪(正確には稔が殺ったんだけれども)を犯し村から逃げ出した結果、港町で流れ者として大人と同様に労働者となるという転換期を迎える話が描かれています。
主人公はこの特区の繁栄の恩恵を受けられない港町でどんどんと悪事をやる才能があることから悪事をやることを覚えてしまい、悪事を働いていくところがある種の転落であり、主人公の転換期の章だなと思いました。
この章は主人公が転換期を迎え、大人顔負けの悪事を働く人間になっていく様子が描写されていることから、転換期を示しているのだろうと思いました。

この章で本作を読みづらくしているのは悪事を働く時の主人公の思考回路や、主人公の政治的な思考回路が端的に書いてある故に少々読み取りが難しくなっているところにあるのかな、と思いました。
著者の経歴を見るに、そこは割と著者の思想が入っているところでもあるのかなと思いました。個人的にはここら辺の読みづらいところは読み飛ばして、主人公が何をやったのかに終始して読み続ければそれでいいのかなと思います。「トギオ」は主人公が何をやったのかについてはわかりやすく書かれているのでその軸を見失わないように読んでいけば迷うことはないのかなと思いました。
とうとう第3章東暁に入り、物語も半分を迎えましたがこの物語がどう着地するのか楽しみです。