読書の日記#55「トギオ」を読む③(マシュマロリクエスト企画)

また調子が悪くなってきている私です。いい加減調子が戻ってきて欲しいですが全然その気配がないまま労働をしています。端的に言ってキツイ。

そんな感じですが読書はもりもりやっています。今日も太朗想史郞「トギオ」を読んでました。丁度第3部が読み終わり、物語は残すところあと1部になりました。

第3部は港町を出ていった主人公が東暁でどんな生活をしてきたかについて書かれています。元々あんまりよろしくない生活をしていた主人公ですが、東暁に来てからは余計に悪化し、偽造身分証で東暁に侵入した挙げ句には殺人を生業にするようになってしまいます。
このパートは主人公がとにかく堕落していく様子が書かれているなぁという印象です。人を殺すことを生業にしたり、安全な電脳ドラッグのような快楽部屋に入り浸りになったりと、どんどんと堕ちていく様が描かれています。
ただ、それだけではなくてこの中で出会った違法な建築物への直接的なアートに魅せられるなど、最後は地下に絵を描いて死んだ主人公の終焉を仄めかすような描写もはいるようになり、ラストスパートに向けて進んでいるなぁと思いました。
この部は今までとは少しテイストが変わっていて、SFでよくみられるサイバーテクノのような世界観が展開されているので純粋なミステリーを期待した人からするとかなり面食らうだろうなと思いました。
「トギオ」は第1部は農村の閉鎖的な世界観、第2部は子どもが大人へと変わる通過儀礼な世界観、第3部はサイバーテクノな世界観と舞台が変わる毎に世界観も大きく変容を見せるところが面白いと思いました。
最後の第4部ではどのような世界を見せてくれるのか楽しみです。