読書の日記#86「星の子」を読み終える

今日はリトルプレスやZINEを個人で売ってる人のトークショーをWebで聞いていました。やっぱり最初は文フリで出すのがスタンダードっぽいですね。個人的にZINEをつくってみたいです。何を作るのかは未定ですが、やっぱり文フリに出たい!

今日は今村夏子「星の子」を読みました。この本もマシュマロでおすすめされた本です。
新興宗教にのめり込んでいる両親の元で暮らす少女が主人公で、その少女の日常を描いた小説です。新興宗教の両親がいるという書き出しだと、サスペンスやミステリーのような雰囲気の小説だと思われやすいですが(私も最初そういう小説かと思ってました)、不穏な雰囲気は漂いつつもそういう劇的なサスペンス展開はなく、ゆるやかに主人公のちひろの日常は進んでいきます。
新興宗教にのめり込む両親の元で少し変わった生活をするちひろですが、その生活や両親との関係は表面上は変わったものですが、その核となるところはそこまで普通の家族と大きく変わったものではないのかなと思いました。
ただそのような日常が送れているのは主人公のちひろ新興宗教に対して寛容であるという前提がついているからであり、合わなかった場合は地獄のような生活だろうなと思いました。それを体現してるのがちひろの姉で、結局ちひろの姉は家出をしてしまいます。
ちひろの日常は平穏ですが新興宗教にのめり込む親という不穏な雰囲気は残っているのが絶妙な塩梅で展開されているところが面白かったです。
この唯一無二の雰囲気を持った不思議な小説、是非読んでみてほしいです。