ポケットモンスターアドバンスジェネレーション第7話「キモリの森!巨大樹を守れ!」感想

1.初めに

前回の感想ですが、個人的に出来の悪い感想になってしまったなぁと少し反省しています。何故ならばストーリーをただ並べている文章になっているんですよね。それはあの回が見ればわかる良い回というのもありますが、私が無印に精通していない関係での読み込みの甘さもあったと思います。今後は意図的にこういうようなことはしないように気をつけて自分の感じたことを自分の言葉でちゃんと伝えていけたらいいなと思います。

 

2.スタッフ周り

脚本 松井 亜弥氏

絵コンテ よこた 和氏

演出 大町 繁氏

作画監督 酒井 KEI氏

 

3.感想

 ハルカとマサトの喧嘩で始まるこの回。マサトが道案内をしていたのにハルカが「なんとなくこっちの方が楽しそうだから」というワガママな理由で勝手に進路を変えてしまいました。これはハルカが旅を旅行と考えていることが明示されています。コンテストにしろリーグにしろ出場するには一定期限があり、それまでにバッチ等を集める必要があるので、計画を確認せずに勝手にルートを変更するのはご法度です。挙句の果てには「ポケナビ持ってるマサトがちゃんと道案内をして!」と逆切れかまします。完全に単なるワガママキッズです。

 ハルカは結構ズボラなところがありますが、そのいい加減さが悪い意味で表に出てしまったシーンだと思います。

 そうこうしているうちにキモリが登場。サトシはオダマキ博士のところで来た時からから気になっていたようでゲットしようとします。しかし、ボールを投げても失敗。ここでハルカからは「私の時あんなに偉そうにしてたのに」とイヤミを言われてしまいます。ハルカ案外根にもつというか、ハルカにとっては先輩と思っているというより自分よりも経験のある同世代という認識なんでしょうな。

 サトシはその後ピカチュウと共にキモリの木と集落にたどり着きます。しかしそこでは異様な雰囲気。キモリたちは朽ちた木をどうするかでもめているようでした。

 枯れた以上どうしようもないとする長老キモリ、枯れた木を諦めきれないキモリロケット団ニャースの通訳でどういういざこざが起きているかわかっていますが問題に干渉するつもりはなさそう。他方サトシとピカチュウは目的のキモリ待ち伏せすべく枯れた木の場所にとどまります。ここで登場人物全員が絶妙に相手の認識や問題点を気にしていない・気づいていないことは先の展開にどう影響するのか、ポイントになるかと思います。

 サトシがピカチュウキモリをゲットしようとしている一方、ハルカ・マサトはタケシのお手製クッキーを食べています。サトシを心配するマサトに比べてハルカはタケシのクッキーに大興奮。ハルカのサトシへの興味のなさがすごいです。自分から旅にさそったのに……wwwここからもハルカは面倒くさいことは割と他人になんとかしてもらおうとする妹気質が実はあることがわかります。

 不安そうなマサトを見たタケシは「サトシならピカチュウがいるから大丈夫」となだめます。このタケシの発言と余裕は今までのサトシの経験への信用の表れ何だろうと思います。マジで今回マサトとタケシしかサトシの心配してないような気がするぞ!ハルカ、クッキー食べてるし……

 サトシは枯れた木で張り込みをし続けるとキモリが現れます。キモリは枯れてしまった木を諦められず、献身的に世話をします。この木が再起不能の可能性が高いことに気づいているサトシはキモリの姿を複雑そうな顔で見つめますが、途中からキモリの活動に協力し始めます。サトシはキモリの事情を完全には理解していません。しかし、彼がキモリに協力したのは可能性が0じゃないなら努力するサトシらしい行動だと思いました。サトシは本当にポケモンが大好きな子なんだと再確認しました。

 ここでサトシはキモリを手伝うだけではなくスバメに仲間に自分の居場所を伝えるように伝えます。ちゃんと仲間に気を配れるようになったところは無印で新米だった彼が未熟ながらも成長した証だなと思いました。

 そこにロケット団が乱入。他のキモリが連れ去られてしまいます。サトシはピカチュウで応戦するもピカチュウの対策はされており、逆にピカチュウは捕まってしまいます。スバメも前出の仲間への連絡のために手元にはいません(今回キモリを目立たせるためにスバメをバトルに使用したくなかったというメタ的な理由を自然に解消した脚本手腕はさりげなくとも素晴らしいと思いました。)

 そこで活躍するのがキモリです。キモリの活躍でロケット団を返り討ちにします。

 すると、キモリが大切にしていた枯れ木に変化が起きます。真っ二つに割れ、今までの枯れ木の半生のような映像が流れます。サトシはこれを「キモリに木がお礼を言っている」と伝えますが、キモリに切れられてしまいます。

 まぁ、大切なものが失った直後に「でもその者は君に感謝してたしよかったじゃん!」とか言われたらちょっと無神経な気もします。喪失による寂しさはそれとは別種の感情なので……サトシは優しさからそういう話をしたのでしょうか、しょせん彼は10歳。そこまで心の機微がわかるわけではありません。

 そこでピカチュウVSキモリキモリの素早い動きに翻弄されますが、タケシのアシストもあってサトシはキモリに勝利し、ゲットします。

 キモリは他のキモリ達に枯れ木の種を渡し、その場を後にします。この新しい種が長い年月をかけて大きな木となるのは喪失と再生というのがこの回で意識されてるのかなと思いました。キモリはサトシの手持ちとして再生し、枯れた木は新たな趣旨として再生する。サトシもキモリという新たなパートナーを捕まえ、再生していく……。

 まぁ、そのテーマを真正面からやるには尺や作りこみが甘いかなぁと思いますが、お約束展開の多いアニポケでは仕方がないのかとも思います。

 

5.終わりに

 今回はサトシとポケモンの回という印象。やっぱりサトシとピカチュウは絶対無敵にコンビだなぁと思いました。

 次回は8話「ハブネークVSキモリ!必殺のはたく攻撃!!」です。

 次もよろしくお願いします。